平成23年度実施事業

1.防災の観点に立った青少年の体験活動プログラムの調査研究(文部科学省委託事業)

過去に防災教育の観点から取り組まれてきた青少年の体験活動プログラムを収集し、その有用性や課題を整理するとともに、防災教育の観点に立った新たな体験活動プログラムを開発することを目的として実施した。防災教育や自然体験活動の有識者を中心とした研究会を設置し、防災教育の観点に立った体験活動について国内外の事例や動向を整理するとともに、体験活動を通した防災教育の展開について提案を行い、報告書にまとめた。

 

 防災の観点に立った青少年の体験活動プログラムの調査研究(文部科学省委託事業)

 

2.自然体験に関わる指導者養成カリキュラムに関する調査研究

自然体験活動指導者として身に付けておくべき知識、技術等について研究し、体系化した自然体験活動指導者養成カリキュラムを開発するとともに、開発したカリキュラムをもとに、自然体験活動指導者認定制度の構築等を行うことを目的に実施した。平成23年度は、有識者及び自然体験活動指導者等で構成する研究会及び作業部会を設置して、自然体験活動指導者制度及び養成カリキュラムの検討を行い、試案を作成した。

 

3.青少年の体験活動等と自立に関する実態調査

平成18年度から青少年の自然体験、生活体験・習慣の実態や自立に関する意識等について全国規模の調査を行っている。平成23年度は、平成22年度に実施した調査について、学年間の比較及び平成18~22年度の経年変化、保護者の子どもの頃の体験活動とそれを通して得られる資質・能力やその子どもの体験活動との関係、さらに居住地と自然体験の関係について分析を行った。

 

 青少年の体験活動等と自立に関する実態調査

 

4.青少年教育施設等で実施される体験活動の教育効果に関する研究

青少年教育施設等で実施される体験活動が、青少年の成長にどのような影響を与えるかを明らかにするため、次の2つの調査を実施した。

(1) 「リフレッシュ・キャンプ」参加者アンケート調査 

東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響により、外遊びやプールの利用を控えるなど、日常生活の中で多くのストレスを抱えている福島県の児童生徒を対象に、心身の健全育成やリフレッシュを図るために、平成23721日から831日の間に実施した「リフレッシュ・キャンプ」(主催:文部科学省、国立青少年教育振興機構)の参加者に対して、夏休み前の余暇時間の過ごし方や、キャンプに参加する前とキャンプに参加した後の意識や気持ち等を調査するアンケートを実施した。その結果、キャンプの参加前に比べて子どもたちの意欲が向上したことなどが明らかになった。 

  

  「リフレッシュ・キャンプ」参加者アンケート調査

  

(2) 国際的な集団野外生活が青少年に与える影響に関する調査 

世界スカウトジャンボリー日本派遣団の一員として、海外での集団野外生活を体験した公益財団法人ボーイスカウト日本連盟の加盟員を対象に、「生きる力」や「国際理解」等の変容を調べることで、世界スカウトジャンボリーが参加スカウトに及ぼす影響を明らかにするとともに、事業評価の意義について検討することを目的として、日本ボーイスカウト日本連盟と共同で実施した。その結果、参加スカウトは「生きる力」や「国際理解能力」が向上したこと、身体的、精神的等の分野において成長がみられたことが明らかになった。

 

  国際的な集団野外生活が青少年に与える影響に関する調査

 

5.青少年教育関係施設基礎調査

  青少年教育に関係する施設についての調査を実施し、国公立・民間の青少年教育関係施設の基礎データを収集している。平成23年度は、平成22年度に実施した調査について、施設の指導体制、主催事業の実施状況、指定管理者制度の動向、国立施設への期待などについて分析を行った。

 

 青少年教育関係施設基礎調査

 

6.各年齢期における体験活動に関する調査研究

青少年の各年齢期の課題に対応した体験カリキュラムの作成に向け、子どもの頃に身に付けておくべき「生活力」等について調査研究を行っている。

(1)「生活力」に関する調査研究

子どもの頃に身に付けておくべき「生活力」の目安を設定し、これを「生活力検定」として実施するための調査研究を平成23年度から2か年計画で実施している。平成23年度は、「生活力」の具体的な内容に関する記述式のアンケート調査を実施し、「生活力」のイメージを明らかにするとともに、それを基に質問紙を作成し、成人を対象に「生活力」をどの程度身に付けているか、どの程度現在の青少年が身に付ける必要があるかについてウェブ調査を実施した。また、幼児教育を専門とする有識者の協力の下、幼児対象の生活力検定の試行版を作成し試行した。

(2)子どもの体験活動の実態に関する調査研究

 子どもの頃の体験を通じて得られる資質・能力を検証し、人間形成にとってどの時期に、どのような体験活動をすることが重要になるのかを明らかにするため、平成20年度から調査研究を行っている。平成23年度は、社会貢献している成人について、その子どもの頃の体験との関係などについて明らかにするため、PTA役員及びキャンプ指導者を対象に調査を実施した。

 

7.子どもの読書活動と人材育成に関する調査研究

子ども(特に中高校生)の読書環境の実態を把握するとともに、読書の成長に及ぼす効果や読書活動を推進するための方策等を調査研究するため、平成23年度から2か年計画で実施している。平成23年度は、有識者で構成する研究会及びワーキング・グループを設置し、調査票の作成や調査の実施に取り組んだ。また、平成24年3月25日にアメリカ・フランス・ドイツから研究者を招聘して国際シンポジウムを開催した。

  

8.青少年の体験活動等の国際比較に関する調査研究

諸外国の青少年の体験活動や体験活動を実施する機関の取組等について実態を明らかにし、日本と比較、分析を行うことを目的に実施している。平成23年度は、アメリカにおける青少年教育の現状についての基礎情報を収集するため、大学、政府機関、民間団体などを対象に、ヒアリング調査、文献・資料収集及び現地視察を行った。

 

9.課題を抱える子どもの体験活動に関する調査研究

課題を抱える子どもに対する体験活動の有効性や効果について研究するため、機構本部が各教育施設と連携して、各教育施設で実施している課題(特別支援、児童養護施設、不登校・ひきこもり・ニート、非行)を抱える子どもたちを対象とした事業等の成果について、横断的な検討・分析などを行う調査研究に取り組んだ。

   

10.青少年の体験活動の意味と範囲に関する調査研究

青少年の体験活動に関する基盤及び基礎知識について体系的に整理することを目的として、平成23年度から2か年計画で調査研究に取り組んでいる。平成23年度は、有識者等で構成する研究会を設置し、体験活動は人間の成長過程においてどのような効果をもたらすのかについて検討を行った。