星空観察・天体観察
はじめに
国立夜須高原青少年自然の家(以下「夜須高原」という)には「スタードーム」という天体観察施設があります。そのスタードーム内には、天体望遠鏡(200mm屈折式)があり、月や木星、土星等を観察することができます。
(他の施設においても、望遠鏡等の観察機材を設置している箇所がありますので、問い合わせてみましょう。)
もちろん、望遠鏡等の観察機材を使用せず、肉眼で夜空に輝く星や星座を観察することもできます(星空観察)
内容
準備するもの |
1.観察のポイント
●星空観察
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望遠鏡等の観察機材を使用せず、肉眼で夜空に |
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● 望遠鏡等による天体観察
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天体望遠鏡や天体双眼鏡等の観察機材を使用して観察します。
夜須高原には、スタードーム内に天体望遠鏡(200mm屈折式※)があり、月や木星、土星等を観察することができます。ここに掲載されている画像はすべて夜須高原で撮影したものです。
他の施設においても、天体望遠鏡を設置している箇所があり、例えば、立山青少年自然の家(600mm反射式)、山口徳地青少年自然の家(510mm反射式)、吉備青少年自然の家(310mm反射式)等となっています。
※( )内の数字は、望遠鏡の口径(大ざっぱにいうと望遠鏡の筒の太さ)を示しており、屈折式・反射式というのは、望遠鏡の種類を示しています。望遠鏡の口径が大きいほど、暗い星から出る弱い光をとらえて見ることができます。望遠鏡の種類には、主に屈折式と反射式があり、屈折式はレンズを使って光を屈折して見るタイプ、反射式は鏡を使って光を反射して見るタイプであることから、そう呼ばれています。屈折式は、安定した像を見ることができ、操作も比較的簡単です。反射式は、口径を大きくしやすく、そのため弱い光を出す天体(星雲や星団)等を観察するのに適しています。
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望遠鏡で月、特に満月に近い月を見ると、とてもまぶしく感じられます。一つのテクニックとして望遠鏡の筒のフタの内ブタを取り外して(ドーナツ状にして)見ると、減光されて、程よい明るさで月を見ることができます。
参考までに、太陽を観察するときには、太陽投影板を使って間接的に見たり、その他特殊な機材を用いたりして見ます。決して何も装備せずに太陽を直接見てはいけません(失明してしまいます)。
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施設によっては、天体望遠鏡や双眼鏡などの観察機材を貸し出しているところもあるので、実際に自分で望遠鏡に触ったり、組み立てたり、天体を導入したりする体験ができる場合があります。詳しくは、利用する施設に問い合わせて相談してみましょう。
※参考までに、下の写真にある組立式望遠鏡は、夜須高原の望遠鏡(75mm屈折式)となっています。
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2.注意点
○安全に、楽しく観察するために、以下の点に注意しましょう。
・寒いシーズンには防寒対策、暑いシーズンには防虫対策が必要です。
・事前にお手洗いは済ませておきましょう。
・観察場所までの移動には懐中電灯が必要な場合がありますが(移動中は足元を照らしましょう)、
観察場所に着いたら (安全面に支障のない範囲で)懐中電灯を消しましょう。これは、目を暗さ
に慣れさせ、美しく星を観察できるようにするためです。決して懐中電灯の光を人の顔に向けて
はいけません。
・段差のあるところを歩く場合等は、足元に注意しましょう。
・川や池のそば、崖の近く、車が通るところ等、危険な場所で観察してはいけません。
・星空観察の際、仰向けになって星や星座を観察する場合、(特に草が生えているようなところは必ず)
シートやマットを敷くようにしましょう(ダニ対策のためです)。
・望遠鏡など機材で観察するときは、機材の出っ張りや三脚の足、コードに気をつけて、頭や体を打っ
たり、つまずいたりしないように注意しましょう。
・望遠鏡など機材で観察するときは、先生がセッティングした後、機材になるべく触れないようにし
ましょう。 (せっかく導入した天体が視界からずれたり、合わせたピントもずれてしまったりする
のを防ぐためです。)
・(日中の観察では)望遠鏡や双眼鏡で太陽を見てはいけません。失明してしまいます。また、肉眼でも
太陽を直視しないようにしましょう(目を痛めます)。
・二人組のペアを作ってお互い安全を確認し合ったり(バディシステム)、グループ単位となって行動を
共にしたりして、未然に、行方不明をはじめ事故やケガ等が起こらないよう工夫しましょう。
・観察中、(順番待ちで)前の人を押したり、大騒ぎしたりする等、学習活動の場を乱すような行動をと
ってはいけません。
・終始、天体観察を指導されている先生の指示に従うとともに、分からないことがあれば先生に聞きま
しょう。
おわりに
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星空観察・天体観察は、夜の暗闇につつまれた自然の雰囲気を |
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参考文献
中園 繁孝 『天体の基礎知識と天体写真撮影方法』 国立夜須高原少年自然の家 平成8年2月
情報提供 2013年 4月作成 |