海の危険生物
国立沖縄青少年交流の家海洋研修場で観察できる危険生物を紹介致します。
オニヒトデ
危険度:4
生物の特徴と症状
直径30cmくらいの大きさで、毒のあるトゲのついた腕を10~17本持っています。
通常、昼間はサンゴ等のかげに隠れています。夜になるとはい出てきて、サンゴのポリプを食べてしまいます。(ポリプとは造礁サンゴの肉質部分でオニヒトデに食べられるとサンゴは白化し、死んでしまいます)生命力が強く、ナイフなどで2つに切っても傷を修復して2匹になってしまいます。刺されると激しい痛みが起こり、痛みは数時間持続します。
患部が赤く腫れてマヒし、吐き気をもようすこともあります。
応急処置
トゲを取り除き、40~45℃程度のお湯に患部をつける。ビニール袋にお湯を入れ、患部にあててもよい。(やけどに注意)患部は化膿しやすいので、応急処置のあと、なるべく早く医師の手当をうけましょう。
ガンガゼ
危険度:2
生物の特徴と症状
ウニの仲間で長いトゲが特徴。トゲには毒があり、とてももろいので刺さるとすぐ折れてしまいます。そのうえノコギリの歯のようになっているので抜けにくい。刺されると強い痛みがおこり、大きく腫れます。ガンガゼは光が苦手で薄暗いところにいます。岩陰などに近づくときは十分注意が必要です。
応急処置
トゲを抜き取る。患部を真水で洗い、40~45℃程度のお湯につける。ビニール袋にお湯を入れ患部に当てても良い。(やけどに注意)化膿しないように抗生物質軟膏を塗る。
トゲが体内に残っていることもあるので病院でみてもらいましょう。
キリンミノ(ミノカサゴの仲間)
危険度:4
生物の特徴と症状
海底近くを漂っていることが多い。動きはゆっくりで近づいてもあまり逃げません。美しいので手を出したくなるが,背ビレと腹ビレと尻ビレに毒のあるトゲがあるので危険です。驚かせると背ビレを立てて威嚇します。刺されると猛烈な痛みがおこり,やがて全身に広がります。嘔吐、頭痛、発汗、呼吸困難、手足のマヒなどを併発します。
応急処置
トゲを取り除く。傷口を洗って切開し、血とともに毒をしぼり出す。40~45℃程度のお湯に患部をつける。ビニール袋にお湯を入れ患部に当てても良い。(やけどに注意)早めに医師の手当を受けましょう。
ウミヘビの仲間
危険度:5
生物の特徴と症状
ウミヘビの仲間はおとなしい性質ですが,ハブの70~80倍もある神経毒をもっています。咬まれると神経がマヒして呼吸困難におちいります。重傷の場合は死亡することもあるのでいたずらしてはいけません。
応急処置
できるだけ安静にし,傷口から体の中心部に近い方をヒモでしばる。傷口から毒を口で吸い出しながら(必要によってはカミソリなどで少し切開して毒を十分に吸い出します)
早急に病院へ運びましょう。
シロガヤ
危険度:2
生物の特徴と症状
岩礁や、石などに付着しており鳥の羽のようにみえる。刺胞動物で触れるとピリッとした痛みがあり、患部はミミズ腫れになる。痛みはまもなくおさまるが、かゆみが残る。
応急処置
アルコールかアンモニア水、又は重曹水をぬる。
アナサンゴモドキの仲間
危険度:2
イタアナサンゴモドキ ヤツデアナサンゴモドキ
生物の特徴と症状
アナサンゴモドキの仲間を近くでよくみると細い針のような白いポリプが無数に出ているのがわかります。英名でファイヤーコーラルと呼ばれるように、さわると灼熱痛があり、赤く斑点状にはれます。やがて痛みはかゆみにかわります。
応急処置
アルコールかアンモニア水、重曹水をぬる。さらに抗生物質の軟膏を塗ると効果的です。
ウツボの仲間
危険度:3
ゼブラウツボ クモウツボ
生物の特徴と症状
サンゴ礁の割れ目や岩穴から顔を出しています。どう猛な顔つきをしているが、実際は臆病です。手出しさえしなければ噛みつくことはないので刺激しないようにしましょう。毒はありませんが、噛まれるとなかなか離さず、深い傷になることがあります。また、歯についている雑菌などで化膿する場合があります。
応急処置
止血をしてから傷口を真水でよく洗い、抗生物質軟膏を塗る。傷口が大きい場合は縫合の必要があります。病院へ行って診てもらいましょう。
危険生物といえども自分の方から攻撃してくる生き物はほとんどいません。生物たちは自分の身を守るために防衛しているのです。私たちが気をつければ危険を避けることができます。海に出かけるときは、自然を見せてもらう訪問者としての謙虚な気持ちを忘れずにいたいものです。国立沖縄青少年交流の家では海での安全な活動を推進しています。美しい沖縄の海を体験してみませんか。 |
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情報提供 2003年作成 |