富士山にかかる雲を観察しよう
はじめに
富士山は単独峰であるため、駿河湾の水分 をふくんだ風が山にぶつかり、高度を増すにつれて水分が冷やされ、風の強さや気温などの条件で、いろいろな形をした雲があらわれます。
この雲の様子でこれからの天候を推測することができるんです!!
内容
1.富士山の雲のでき方
(1)山を回り込んだ風によってできる雲(笠雲・つるし雲)
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(2)日射による上昇気流でできる雲(笠雲)
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豆知識 |
2.笠雲の例(様々な雲から推測できる観天望気)
(1)つみ笠雲
①次の日の天候 ・・・ 晴天が続く ②できやすい時期 ・・・ 春 ③雨 ・・・ 降らない ④風 ・・・ 吹きやすい ⑤特徴 ・・・ 天候は良いが冷たい風が吹く |
(2)はなれ笠雲
①次の日の天候 ・・・ 晴天 ②できやすい時期 ・・・ 冬 ③雨 ・・・ 降らない ④風 ・・・ 吹かない ⑤特徴 ・・・ 冷え込む事が予想される |
(3)うず笠雲
①次の日の天候 ・・・ ー ②できやすい時期 ・・・ 冬 ③雨 ・・・ 降らない ④風 ・・・ 強くなる ⑤特徴 ・・・ ふもとで強風となる |
(4)まえかけ雲
①次の日の天候 ・・・ 下り坂 ②できやすい時期 ・・・ 夏 ③雨 ・・・ 降り出すことが予想さ ④風 ・・・ 微風 ⑤特徴 ・・・ 晴れの時にでるが次第に下 |
(5)ふきだき雲
①次の日の天候 ・・・ - ②できやすい時期 ・・・ 冬 ③雨 ・・・ 降り出すことが予想 ④風 ・・・ 吹く ⑤特徴 ・・・ 西高東低の気圧配置で発生 |
(6)かいまき笠雲
①次の日の天候 ・・・ 風と雨〈雪〉が激し ②できやすい時期 ・・・ 秋 ③雨 ・・・ 降り出すことが予想 ④風 ・・・ 強くなることが予想 ⑤特徴 ・・・ ふもとも気温が低い事を |
3.実際の写真
(1)下の写真は次の日、晴天の可能性が高い笠雲です。
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(2)下の写真は次の日、天候が崩れる可能性が高い笠雲です。
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※無断転写禁止
(撮影 小曽戸恒夫氏)
4.ある日の富士山(10月下旬)
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雲が出てきた状況から判断すると、「すえひろ笠」という雲のようです。
この雲が出た場合は、①天候が崩れない、②風が強くなる、③秋冬に出やすい、などという特徴があります。
この雲が出始めた後は、天候は崩れませんが、風は強くなりました。
おわりに
笠雲には他にもさまざまな形状があり、それぞれに名前が付けられています。
富士山に雲がかかっていたら、なんという雲なのか、そしてそれが今後どの様に天候が変化していく雲なのか、観察してみてはいかがでしょうか。
情報提供 2011年 9月作成 |