川でおぼれた人を助けるには

写真:川

Q : この川で友人が溺れました。あなたならどうしますか?

A : まず落ち着いてください。

溺れた人を助けるには

1 助ける側もまず落ち着くこと。

溺れている人に声をかけて、なるべく落ち着かせましょう。
助ける側はまず落ち着きましょう。

2 すぐに助けに飛び込まない。

救助するとき溺れている人はパニック状態になり、それに引きずられ二重事故を招く恐れがあります。
よほど自信がない限り、飛び込まないで下さい。

3 助ける方法がないかを考える。

人を集める。人が集まれば、いろんな救助法が見えてくる。

  1. すぐに仲間、周りにいる人に助けを呼ぶ。
  2. 溺れている人に助ける旨を伝える。
  3. 119に連絡する。
  4. 機転を利かし、助けるための道具を探す。
    ※野外活動では、ロープは何でも役に立つ道具となります。1本持っていると便利でしょう。

救助道具

道具1 「ロープ」

ロープを持っていたら、以下のことを注意して下さい。

水中での救助

写真:1. 大きな声で指示する

(1) 声をかける。

  1. 安否の確認(大丈夫か?)
  2. 安心させる・冷静にさせる(今から助ける旨を伝える)

(2) 頭を上流に向けるよう指示する。
岩などに頭をぶつけないように

写真:2. 冷静に距離と方向を考える

(3) ロープを投げる。

  1. 利き手の反対の手にしっかりロープを持つ
  2. 振り子のようにロープを振り下から投げ、溺れている人の頭を越えるように投げる(反対の手のロープはしっかりと持ったまま)
     

写真:3. 右肩にロープがくる

(4) ロープの持ち方を教える。

  1. ロープを持たせる
  2. 仰向けにする(うつぶせだと、顔に水がかり苦しくなる)
  3. 頭より川上側にロープがくるようにさせる((3)の写真を参照)
  4. ロープを握っている両手を胸の位置まで持っていかせる

陸上での救助

二次災害の悲劇

(1) 病状の確認・対応。

  1. 寒気はないか
  2. 水を飲みすぎてないか
  3. 怪我はないか 等

 
(2) 応急処置。


(3) 消防署・警察署等に連絡する。

道具2 「なし」

写真のように手と手をつなぎ、ヒューマンチェーンをつくる。

 写真:前後交互になり、手首をしっかり握り合う

 道具3 「木、棒、竹等長いもの」

周辺に落ちている長いものを見つけ、陸から溺れている人に渡す。

道具4 「衣服」

自分が身につけている服、ズボン、ベルトをつなげてロープの代わりにする。そして、陸から溺れている人に渡す。
3~4m位にはなる。

道具5 「ペットボトル」

ペットボトルがあれば、少し水を入れ2本を溺れている人に渡す。ロープ等ペットボトルに結び投げると、救助しやすい。

写真:2リットルのペットボトルをつかった救助の様子

道具6 「クーラーボックス・灯油缶等」

ジュース、ビール等冷やしているクーラーボックス、灯油缶等浮くものを空にして渡す。どちらも浮力が大きい分、充分浮く。

 写真:クーラーボックスと灯油缶が浮く様子
 

「3人寄れば文殊の知恵」救助するには、まだまだたくさんの方法があります。まずは助ける側が落ち着いて、周りに溺れている人がいることを周知することが大切です。たくさんの人がいればいろんなアイデアがでてきます。それから次のことを考えていきましょう。

 

単独で水に飛び込むことは、レスキュー隊員でも難しいので、できるだけ陸上での救助を心がけてください。
陸上引き上げ、必要であれば人口呼吸や心臓マッサージによる心肺蘇生法やAED(自動体外式徐細動器)で救命活動を行います。
この救助法については、通常の水量の場合における例です。台風等増水している場合には、救助で川に入ることは非常に危険です。落ち着いて対応しましょう。

   

情報提供

国立大洲青少年交流の家

2003年作成

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