野外でスズメバチに出会ったら

はじめに

 日本で一番で危険性の高い野生生物は「熊」? いいえ。事故件数が多いのは、スズメバチです。
 夏から秋にかけて、スズメバチに遭遇し刺された被害が発生し、死亡事故にまで至った事例も起こっています。
 そこで、野外活動時にスズメバチに出会ったときの対処法について紹介します。

内容

1. スズメバチ刺傷予防法 1 ・  ・  ・  スズメバチ誘引トラップ

 那須甲子青少年自然の家では、スズメバチによる刺傷被害を防止することを目的として、6月から
スズメバチ誘引トラップを敷地内に仕掛けます。
 トラップは、2Lのペットボトルに誘引剤(酒、みりん、砂糖を調合した液体)を入れたもので、木の
枝にかけておきます。(写真参照)
 利用者には、事前にスズメバチ誘引トラップについて説明をし、トラップには近づかないよう注意
をお願いします。

6月トラップ
        6月設置

9月のトラップ
       9月のトラップ

拡大写真
        拡大写真

2. スズメバチ刺傷予防法 2 ・  ・  ・  スズメバチに刺されないための注意

 スズメバチ類は巣の防衛行動をもつため、巣から10m以内に近づくと警戒行動を取り接近者の周囲を飛び回ります。その時点で静かにゆっくりしゃがむか姿勢を低くして、静かにその場を離れることで、大事に至らないで済むそうです。ですから、ハチの接近に驚いて騒いだり、叩き落とそうとしたり、追い払うような行動を取ったりするとハチが興奮して大変危険な状況になりますので、やめましょう。

 次の段階としては、スズメバチは左右の大あごをかみ合わせて打ち鳴らし、「カチカチ」という警戒音を出して威嚇してきます。これは最後の警告で、それでもその場から立ち去らないと、仲間を呼び寄せて集団で攻撃してきますので注意しましょう。

服装
黒色や暗色系の服装は避けましょう。

 また、香水や黒い服もスズメバチを興奮させる恐れがあります。山や森に行く場合は香水や黒い服を控えるようにしましょう。
 香水には、スズメバチ類の警報フェロモンと同じ物質が含まれているからだそうです。また、黒い服は、スズメバチの幼虫やさなぎを捕食する熊などと同じ色であることや、人を含む大型哺乳類の弱点が黒い色の部分(目や耳孔など)であることから、黒色あるいは暗色部分を識別し攻撃行動をとるそうです。
 髪の毛も見せないように帽子をかぶるとよいでしょう。

3. 刺された場合の対処法 

刺されてしまった場合は、以下の処置をしましょう。

ポイズンリムーバー
市販のポイズンリムーバー8

<患部からの毒液除去>
  傷口をきれいな水でよく洗い、体内に回る毒成分を減らすために
  傷口をつまんだり吸引器(ポイズンリムーバー)を用いたりして毒
  を体外に出します。
<患部の腫れや痛み>
  冷湿布をし、虫刺されの薬(抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟
  膏)を塗ります。俗説の「アンモニア水で中和する」は、全くの
  誤りです。
<重症の場合>
  応急手当の後、速やかに医療機関への受診をお勧めします。 


4.那須甲子青少年自然の家でよく見られるスズメバチ

オオスズメバチVespa mandarinia Smith体長は女王バチ40~49mm、働きバチ27~40mm,
オス27~45mmでスズメバチの中で最大の種

顔を正面から見たとき 頭楯下の突起は3つ
体の色→黄黒斑 尾端の色→ 黄色 単眼周辺の色→ 黄色

女王バチは5月中旬に営巣を開始します。

働きバチは7月から羽化し、9月~10月には100~500頭程度になります。

オス、新女王とも9月~11月に羽化します。

幼虫の餌はコガネムシやカミキリムシ。

(オオスズメバチの顔)オオスズメバチの顔

(オオスズメバチ)オオスズメバチの標本

◎アナフィラキシーショックとは?

 ハチによる死亡事故のほとんどがアナフィラキシーショックによるものと言われ、毒液の直接作用によるものは少ないとされています。
 ハチの毒に対する感受性は個人差があり、毒に対するアレルギー性を持っていた場合に発生するアレルギー性シュック症状が、アナフィラキシーショックです。
 症状としては嘔吐、頭痛、めまいなどが見られ、重症の場合は血圧低下、意識の混濁、まれに死に至ることがあります。

おわりに

 野外活動の際には、スズメバチだけでなく、ほかにもさまざまな危険動物や植物との遭遇,そして予期せぬ事故等があります。服装は当然のことですが、持ち物などの準備物の確認も忘れず、無理をせずに活動することも大切です。
 事前の準備・確認をしっかりして、楽しい野外活動をしましょう。

情報提供

国立那須甲子青少年自然の家

2011年 9月作成

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