雪国の知恵「かんじき」
「かんじき」というのは雪の上を歩く道具です。
雪の上を普通の靴で歩くと、踏み固められていない雪の上は足を取られて思うように歩けません。かんじきは体重を分散させることで雪の上を歩きやすくする、木と縄で作った履物です。西洋ではスノーシューといいます。縄文時代から使われていた形跡があるようです。文献上は太平記(1300年代)の中で登場します。有諸正しい(?)日本の履物です。皆さんにこの日本の知恵を伝授しましょう。
「まるかんじき」と「つめかんじき」
かんじきには「まるかんじき」「つめかんじき」などがあります。
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まん丸なのが「まるかんじき」 | 両脇につめのようなものがついてるので、「つめかんじき」 楕円形をしています。 |
「たこじい式まるかんじき」の作り方
今回は「たこじい式まるかんじき」の作りかたを紹介します。これは「2004‘CONEフォーラムin東北」のワークショップで教えてもらいました。このワークショップ主催者はCONEみどり山形の三森さん(通称:トトローン)と織田さん(通称:たこじい)です。
たこじい式とは?
今回の講師、源流の森インタープリターの「たこじい」は雪国の暮らし、森の暮らしの達人です。 |
CONEとは?
自然体験活動推進協議会の愛称です。自然体験の指導者を養成し、派遣するNPOです。
自然の中へ出かけてみたいあなた。まずはCONE指導者をお願いして、
安心、楽しい自然体験をしてみませんか?
材料
かんじきの材料は色んなものがありますが、山形ではオオバクロモジ(和菓子の楊枝などに使われる香りの良い低木です。)や竹などで作るようです。地域によって様々のようです。 |
今回は竹を使っています。 竹は熱すると曲がりやすくなるという特徴があります。 |
ロープは片足分で3尋(みひろ)の縄が必要です。 1尋(ひとひろ)とは両手を広げた時の手から手までの長さです。 |
作り方
Step1 乗り縄
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不思議なことに、まんなかまでくると自然に次にどちらへ行けばいいかがわかります。
順番はありません。やりやすい方から。
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(4)最終的に雪の結晶のような6角形の星型ができます | |
最後にまんなかでイボ結びします。(下に解説) |
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Step2 振り縄
使うロープの長さは30cmくらいです。
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Step3 結び縄
ロープの長さは1尋半必要です。
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Step4 履き方
自分で作ったかんじきを履いて、雪の中に遊びに行きましょう。冬にしかみられないキラキラの風景に出会えます。
動物の足跡もみられるよ。冬芽の観察も面白いです。
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かんじきでの雪上トレッキングはこのワークショップを主催者‘トトローン’と‘たこじい’のいる山形県「源流の森」の森林の学校で体験できます。皆で参加しよう!
このワークショップは国立岩手山青少年交流の家の「曲屋(まがりや)」で行いました。「曲屋」とは雪国では良く見られる、茅葺(かやぶき)屋根の民家で、農耕の動力である大切な馬と一緒に住んだ建物です。そんなまがりやの囲炉裏端で皆で作りました。昔の雰囲気満点です。 (冬は管理上の都合で使えませんが、今回は研修室工事のため特別に使わせていただきました。) |
国立岩手山青少年交流の家の南部曲屋は4月~11月に使用できます。事前に岩手山青少年交流の家にご相談ください。是非、岩手の風土も一緒に体験してください。 |
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情報提供 2003年作成 |